「ジグザグ ジグザグ」

「ジグザグ ジグザグ」

ふらふらと
ゆらゆらと

真っ白な頭と
空っぽな心と
真っ直ぐ流れる赤い水と
浮遊する肉の塊と

それだけを感じて
手を伸ばす
足を踏み出す

ジグザグ ジグザグ
きゅんきゅんと
ぐりぐりと

飛び込んできた色で頭を染める
突き刺さった棘で心を撹拌する
燃えさかる熱の塊で赤い水を逆流させる
ついには肉体をもバラバラにする

そうして見えた世界は
誰のものでもない
私だけのもの

進むことをやめたとき
深い沼の底に沈殿し
黒い藻がからみつき
やがて
消えていくひとつの魂

だから
歩みを止めず
ジグザグ ジグザグ
迷い、惑わされ
それでも進んだ先に
私の求めた世界が待っている


※随分年を重ねてきても
 大人になり切れない
 大人になりたくないわけではないけど
 あきらめとか、年相応とか考えたことがなくて
 もっとこうありたいとか、こうしたいことが一杯で 
 いつまでも悩む
 青臭いよね…とは思う
 だけど、きっと私はずっと迷いながら進んで行く
 ジグザグジグザグ
 なにを求めているのかな、私
 それが何かわかるまで迷いは消えないんだろうね

 (2018.1 「浜松市民文芸」 市民文芸賞受賞)
 


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